【学習相談】努力しても成績が伸びないかもしれない、と不安になります。【大学入試】

【相談】努力しても成績が伸びないかもしれないと、不安になる。

K先輩の場合

ある先輩の話をします(ここではKさんとします)。Kさんは受験科目に小論文がある大学を目指していたため、春に学習相談を申し込んできました。入会テストとして600字前後の課題に挑戦してもらったのですが、30分で原稿用紙3行ほどしか書けない状況でした。

「もっと書けると思っていたのですが・・・」と、Kさんは悔しそうな恥ずかしそうな表情を浮かべていました。くわしく話を聞いてみると、文章を書くのはあまり得意ではなかったとのこと。高校の三者面談で相談したところ、進路指導の先生には「この成績で受験は難しい」と指定校推薦がもらえる大学を勧められ、ご両親にも「無理だと思う。推薦がもらえる大学にしなさい」と反対されたそうです。なかなか厳しい状況です。

しかし、挑戦したい大学があったKさんは、「絶対にがんばるので、お願いします。本気でやります!」とまっすぐにアピールしてきました。一般入試の勉強に加えて小論文と面接対策を同時並行で進めていくわけですから、課題も多くなります。Kさんはクラスで学級委員もしていたため、学校行事にも時間をとられてしまいます。それでも「やります!」とアピールをしてきたわけですから応援しないわけにはいきません。課題を整理し計画を立てていきました。

人生で、一番勉強した夏

実際のところ、課題の量はKさんにとって「かなり多め」だったはずです。しかしKさんは「来週までに、ここまで終わらせてきます」と宣言し自分で課題を設定していました。途中、体育の授業でケガをしてしまい「長時間座っているとキツイ」というような時もあったようなのですが、それでも課題を放り出すことはありませんでした。

春が過ぎ、夏休みになりました。私たちは夏休み中、小論文受講生に「ある課題」を用意します。「質より量」をコンセプトに、ひたすら量をこなしていく課題です。もちろんKさんも参加しました。他の生徒よりも時間がかかってしまい、なかなか課題が進まない状況は不安だったはずです。もしかしたら間に合わないかもしれない、もう成績が伸びないかもしれない、と迷ったこともあったはずです。しかしKさんは泣きごとや不安を口にせず、最終週ですべての課題を終わらせました。「今までで、一番勉強しました」と予定表をしみじみと眺めていた様子が印象的だったことを覚えています。

入試が終わった。そして結果よりも、大切なこと

そして入試が終了。終わってからKさんと反省会を行いました。「どうでしたか?」と質問する私に「とりあえず、書けました」と落ち着いた表情で答えてくれました。さらに「受験会場で問題用紙を回収する時、後ろの生徒の答案が一瞬見えたのですが、その人は半分くらいしか書いていないようでした。もし勉強しなければ(自分も)半分しか書けなかったと思います」と答えてくれました。

「面接では〇〇を聞かれました」「何と答えたの?」「△△です」「うん、それでもいいけれど、□□というパターンもあったね」「あー!そうか。そんな風に答えればよかったんですね!」と反省会は続きます。しかしKさんに残念そうな表情は浮かびません。おそらくKさんにとって、入試本番で「成長した自分」を確認できたということ。それが何よりもうれしいことだったのだと思います。

数日後、Kさんのところに「合格通知」が届きました。「担任も親も驚いていました」と笑いながら話す様子からは、半年前のKさんとは少しだけ何かが違っているような雰囲気が感じられたものです。

挑戦に「失敗のリスク」は存在する。

合格した先輩たちも、最初は不安だったのです。進路の変更を指導されている中で挑戦を決めることはプレッシャーも強くなります。しかし高校生のみなさんにとって、一年あればまだまだ可能性を伸ばしていくことができます。ワンランク・ツーランクアップを目指して挑戦していくことは、口でいうほど簡単ではありませんし想像以上に厳しい時間が続いていくことでしょう。それでも「本気でやる!」と自分で決めて走り始めたのなら、不安を抱えなが前に進むしかありません。

もちろん挑戦にリスクは存在します。失敗する可能性も含め、先回りして準備を進めていく周到さも不可欠です。この部分を無視して突き進むのは、挑戦ではなく無謀でしょう。それは決して推奨されるものではありません。

10年後「あれでよかった」と思える時間のために

しかし、進路について情報を集め、模試を受けて客観的に自己批評を行い、具体的な勉強の計画を立てて実行していく。一週間。次は一ヶ月。そして三ヶ月。100時間、300時間と勉強時間を積み重ねていく。そのようにして、一定の学習時間が積み重なったころ「不安」よりも「目の前の課題」に集中している自分に気がつくはずです。必ずどこかが成長しているはずです。

成績も才能も、いつ開花するかはわかりません。半年後かもしれないし、入試直前かもしれない。それは誰にもわからないのです。しかし、成績が上がった生徒はどこかで必ず努力を積み重ねています。できること、できないこと、と向き合いながら「自己ベスト」を目指していく。リスクと向き合いながらも、真っ直ぐに目の前の課題に集中していく。10年後、20年後、高校生のころを振り返った時「あの選択でよかった」と思えるような時間が過ごせるように、時間を大切に進んでください。がんばれ受験生!


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