受験勉強のスケジュールの立て方(高校生向け)
ところが多くの生徒が間違ったスケジュールの考え方や、いつもと同じような失敗パターンを改善せずに「とりあえずがんばる!」と気持ちだけで乗り切ろうとしています。どんなにやる気やモチベーションを上げたとしても、その方法が間違っていては意味がありません。「がんばる!」という気持ちを具体的な課題を設定し数値で確認できるようにすることが、大学受験のスケジュールの立て方だからです。まずはこの部分を確認する必要があります。
ここで実際に、私たちのところに入会した生徒に最初に指導する「受験スケジュール」のおおまかな流れを説明しましょう。
ステップ1)現在の自分(学力)を確認
「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」と孫子にあるように、まずは「自分を知る」ことが最初のステップです。過去に受験した模試のデータを分析し具体的な数値から弱点と課題を掘り起こしていきます。ただ「英語が60点。あと10点伸ばしたい」ではなく「40点減点された部分は何なのか。そのためにどのような対策が必要なのかを具体的に考えていくのです。
同じ「マイナス40点」でも長文が苦手なのか、文法なのか、語彙力なのかで、それぞれの課題は異なります。成績が上がっていく生徒の共通点は、自己分析を厳しく行い、すぐに実践し改善を行っていくことです。今の自分から逃げずに向きあっていく。これが最初のステップです。
ステップ2)志望校の出題傾向を確認
「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」より「相手を知る = 大学の出題傾向を確認」することが次のステップです。過去問は入試の直前に挑戦するもの、と考えてしまいがちですが、少しでも早い時期に一度挑戦してみることをおすすめします。解ける解けないではなく「このような問題が出題されるのだ」と全体像を把握することが目的です。
全体の様子を確認せずにスケジュールを立てても、漠然としてどちらに進めば良いかわかりません。また、大学ごとに出題傾向が異なりますから、それに合った方法を考えていくことも大切です。自分が選択している科目が、大学の選択科目に含まれているかも確認しておきましょう。夏を過ぎてから「あ、この大学は〇〇では受験できない!」とあわてることがないように。
ステップ3)長期・中期・短期でスケジュールを立てる
さて、ようやく具体的なスケジュールを立てていきます。たとえば夏休みのように「1ヶ月の期間の計画を立てるとしましょう。私たちの場合は、
・長期(1ヶ月で達成する目標)
・中期(1週間で達成する目標)
・短期(1日で達成する目標)
・中期(1週間で達成する目標)
・短期(1日で達成する目標)
大きく、この3種類で生徒に合わせて個別にスケジュールを考えていきます。「夏休みの終わりまでには、これを完成させたい」「そのためには、今週までにこの課題を終わらせる」「すると、今日はこのページを完璧にマスターすればいいな」と、長期目標から逆算して考えていくのです。
間違えたら「改善」すればいい!
自分なりに計画しているのに、途中で挫折してしまう生徒は「このテキストにしよう」と、ネットで評判のテキストを買ってみる。最初の数ページをやって、やめてしまう。二週間くらいしてから「このテキストはだめだ。別のこれにしよう」と新しい問題集に手を伸ばす。そしてまた挫折するを繰り返しています。
実際のところ「間違える」のは何の問題もありません。間違えることでしか見えないことがあるからです。しかしそこで「改善」せずに同じ間違いを繰り返していては成長がありません。あっというまに夏が過ぎてしまいます。
夏の1ヶ月間は「自分と地道に向き合っていく」時間
一度決めたスケジュールでも、それが間違っていたらすぐに改善して実行する。そしてまた壁にあたって、改善して実行する。受験生の夏の半分以上は、そんな「実行 →間違える → 改善 → 実行」の繰り返しです。なかなか結果や手応えが感じられず、もどかしくなったり、イライラしたり「このテキストがダメなんだ!」と周囲のせいにしたり(笑)そんな時間の繰り返しです。
しかし、そのような地味な努力の繰り返しをコツコツと続けていくことができたのなら、いつのまにか「あ、この問題が解けるようになっている!」というような、成長している自分に出会えるもの。夏の1ヶ月間は、そんな「今までの自分と、地道に向き合っていく」時間なのかもしれません。がんばれ受験生!
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