「勉強に集中できません。駄目な自分が嫌になって、自己嫌悪でさらに集中できなくなります」
どうしてもやる気が出ない。集中できず頑張れない自分が嫌になる。そこから先に進めなくなってしまう。このような状況の中で悩んでいる受験生も多いのではないでしょうか。「集中できない」と相談を受けた時に、私たちは生徒に「3つの確認」をするようにしています。順番に説明していきましょう。
1)具体的な目標を確認しよう
自分が好きな音楽、映画、アニメ、そのような「趣味」の世界については、いくらでも集中できるでしょう。気になることがあれば、スマホで検索して調べ続ける。好きなものに関することならば、ちょっとしたことでも最新の情報を手にいれたい。そのようにしているうちに、あっというまに時間が過ぎてしまった。もっと時間が欲しい!と思う。
私たちが「自分が興味があること」には、自然と集中するし膨大な時間を費やしても飽きることはありません。つまり「明確な目標(対象)」があれば、それに向かって進むことができるわけです。さて、ここで質問です。
「今あなたは、何のために受験勉強をしているのでしょう?」
「その結果、何を手にしたい(志望校)かが具体的に見えていますか?」
絶対にこの大学に合格する。やってみたいことがあるので、この進路を選んだ。そのような具体的な目標がある生徒は、そこをモチベーションにして目の前の課題に集中していきます。そこをクリアすることができたなら「気がついたら、自然に集中していた」という状況になっていきます。まずは「具体的な目標 = なぜ受験勉強をするのか」を、時間を確保して徹底的に向き合ってみましょう。そこから新しい課題が見つかることで、具体的な計画が見えてくるはずです。
2)環境を整えよう
勉強する部屋が、趣味に関するもので溢れていませんか?
机の上に教科書と趣味の本が並んでいる。すぐ横にスマホがあって、手を伸ばせばすぐに趣味の世界に没頭できる。壁にはポスターが貼ってあって・・・などなど、そもそも「集中しにくい環境」を自分自身で作っていないでしょうか。
ある先輩の部屋は、壁一面に趣味に関するポスターが張り巡らされていて、本棚には趣味に関する資料やグッズが所狭しと並んでいました。スマホの他にタブレットも常備されていて「趣味の世界に没頭するには最高の環境」でした。これでは集中することが難しくなります。
そこで部屋の環境を受験勉強に集中できるようにとアドバイスしたところ、翌週にはすべての趣味に関するものが取り外され、受験勉強に関するものしか置かれていませんでした。スマホも「勉強している間は、リビングに置く」という徹底ぶりです。「視界にはいるところから、趣味に関するものは排除しました」と説明してくれたのですが「絶対に成績を上げて合格する」という気持ちが表れているようでした。
すぐにできることからで構いません。受験勉強に集中できる環境を整えてみましょう。まずは机の上にあるものを整理し、課題以外のものは片付けてしまう。気を抜くと、趣味の分野は「すこし息抜きしよう」と誘惑を仕掛けてきます。まずは環境からです。
3)優先順位を明確にしよう
受験勉強が進んでいくと「課題」が増えていきます。春休みのころは、なんとなく手当たり次第に取り組んでいても大丈夫だった量でも、夏を過ぎて秋になるころには「やらなければいけないこと」が山積みになってきます。受験に関する資料や学校に提出するものなど、色々と片付けなければならないものが重なってきます。
しかし時間は限られています。最初から全部を順番に片付けていくことが理想ですが、実際の問題として「1日24時間」では足りない状況になることが受験生の現状です。「あれもこれも」と時間とともにプレッシャーが大きくなり、身動きがとれなくなってしまいます。ここで、多くの生徒が「もっと早く始めればよかった」と、ため息まじりに肩を落としますが、落ち込んでいても時間は逆もどりしません。落ち込んでいるうちに、時間が過ぎていきます。
まずは「課題」を整理し、全体像を把握しましょう。そしてジャンルごとに分け、その中から「優先順位」をつけて並べ替えます。ただ頭の中で考えるだけではなく、ノートやカレンダーに書き出して視覚化させることも大切です。全体像を具体的に把握することが大切だからです。
この作業が終わったならば、次は「優先課題」の順番に最初から取り組んでいきます。「今自分は、最優先事項に取り組んでいるのだ。これがベストの選択だ」と確認しながら、その課題を終えることだけを考える。それが終わったら、次の課題を終わらせることだけを考えていく。このように、漠然と課題の前で立ち止まるのではなく、細かく整理し分けることで「まずは、これだけでも終わらせる」と考えていくのです。ちいさな前進でも、積み重ねれば大きな成長です。
時には大胆に、そして地道な努力をたいせつに
受験勉強は地道な時間の積み重ねです。基本的にコツコツと目の前の問題を解き続ける時間が続いていきます。しかし同じ繰り返しだけでは、どうしても飽きてしまいますし思考も固まってしまいます。時には大幅な修正を行いつつ、現状を再構築してモチベーションを上げ直す時間も必要になってきます。
ここで紹介した3つのポイントを確認しながら、さらに「自分にとって、モチベーションが上がる方法」を試しつつ、まずは目の前の課題を片付けていきましょう。そのような試行錯誤の時間は、受験勉強だけでなくこれからの人生の中でも「あの時は、このように乗り越えた!」とすばらしい経験となりモチベーションを上げてくれることでしょう。
がんばれ受験生 応援していますよ!
【関連】夏の受験勉強に関する記事一覧
☝【関連】
【ベテラン先生!「佐藤先生」に相談してみよう】
今の受験勉強で大丈夫?「EG式の佐藤先生」に相談してみませんか? 学習計画の立て方から、志望校に合わせたレベル設定、合格した先輩たちの話など、20年の指導経験で仙台の高校生をサポートします。EG式専任講師・佐藤先生の「学習相談が受けられるのは、EG式だけ。くわしい内容は公式サイトへ → ベテラン先生の「学習相談」について