SAT・TOEFL高得点でも、帰国生入試の小論文で苦戦する理由【一橋・早稲田・慶應・上智・ICU 合格実績】

SAT・TOEFL高得点でも、帰国生入試の小論文で苦戦する理由【一橋・早稲田・慶應・上智・ICU 合格実績】

「SATで高得点を取っている」「TOEFLのスコアも申し分ない」——そんな帰国生の生徒から「日本語の小論文を、今から書けるようになるか不安」「情報を並べただけの説得力のない文章になってしまう」という相談が届きます。

さらに近年、早稲田大学の複数学部、慶應義塾大学SFC(総合政策学部・環境情報学部)など、難関大学で帰国生入試の募集停止が発表されています。「帰国生だから有利」という前提は通用しなくなりつつあり、限られた枠を巡る競争は、これまで以上に激しくなっていると考えるべきでしょう。
 
帰国生入試の指導にあたり、一橋大学・早稲田大学・慶應義塾大学・上智大学・ICUなど難関大学への合格者を送り出してきた経験から、私(佐藤)は、優秀な生徒ほど「想像していた以上に、日本の高校生のレベルは高い」と気づき、謙虚に努力を重ねていく姿を数多く見てきました。この記事では、その「気づき」の先にある、日本語小論文の対策について解説します。

1.「知識」=何を求められているのか?どのような知識が必要なのか?

SAT・TOEFLで高スコアを取る生徒は、読解力・語彙力ともに優れています。海外という文化の異なる環境で学んできた精神性は、日本では身につけることができない貴重な経験です。しかし、日本の小論文で求められるのは、英語力とは別の「日本の社会問題・時事問題に関する知識」が中心です。

日本の大学が求める小論文は、単に主張を通すことよりも「課題文や資料を正確に読み取り、その本質を捉えた上で、多角的に考察できているか」が重視される傾向があります。求められる評価軸の違いを理解しないまま臨むと、実力を十分に発揮できない場合があります。 
 
海外生活が長いほど、日本国内で報道されている社会問題(少子高齢化、地方創生、教育格差など)に触れる機会が少なくなりがちです。この「知識のギャップ=何を求められているのか?どのような知識が必要なのか?」を把握せずに受験勉強を進めることが、実力はあるのに小論文の評価が伸び悩む原因のひとつになっています。

2. 「気づき」を持てる生徒ほど、伸びていく

ここまで聞くと、これまでの努力が否定されたように感じるかもしれません。しかし、英語力や海外での経験そのものが無駄になるわけではありません。重要なことは、日本の小論文特有の型・知識を、あらためて意識的に身につけていく姿勢です。

これまで指導してきた生徒の中で、一橋大学、早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、ICUといった難関大学に合格した生徒も「最初から完璧だった生徒」ではありません。むしろ「自分にはまだ足りない部分がある」と素直に受け止め、地道に知識と型を積み重ねていった生徒たちでした。

私が授業中に解説する内容を「ひとつも聞き漏らさない」ようにと、ノートに向かってメモを取り続けた生徒。日本に帰国する度に「授業で教えていただいた本を買ってきました!」と机の上に並べて見せてくれた生徒。「1年間でノート5冊分です」と、小論文&面接対策で集めた膨大な資料を入試直前に広げてくれた生徒。それぞれの生徒が、それぞれのスタイルで、真面目に地道に知識と経験を積み重ねていました。私は今でも、そんな様子の生徒をはっきりと思い出すことができます。

3. 貴重な体験を「日本の大学受験」で発揮するために

帰国生入試の枠が縮小する今、これまで以上に「対策の質」が問われる時代になっています。しかし、それは英語力や海外での経験が無駄になるということでは決してありません。むしろ、自分に足りない部分を素直に見つめ、正しい型と知識を身につけられる生徒こそ、大きく伸びていきます。

時代は変化します。入試制度も変化します。しかし求められる「根本的な部分」は、10年、20年で変わるものではありません。大切なことは、表面的な情報でゆらぐのではなく、本質的な部分を大切に学び続けることです。本物の実力を磨くには時間がかかります。それも、1年、2年単位での膨大な時間です。
 
しかし、海外での「貴著な体験」を積んで乗り越えてきたみなさんであれば、きっと力を発揮できる時がやってきます。日本の大学への受験を目指し、合格を手にするために、地道に丁寧に課題を積み重ねてください。応援しています! 
 

 
 

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この記事の監修:佐藤 隆弘(EG式オンラインコース)

入試の面接指導歴25年。難関国立・私立大学への合格実績を持つ講師が、これまでの指導経験をもとに執筆しています。

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