夏休み直前対策(1)「自分の現在位置を知る」
夏休みが始まってから、なかなか受験勉強がスムーズに加速していかない、と悩んでしまう原因のひとつが「自分の現在地を確認しないまま始めようとしている」ということです。
現段階の自分はどのような状況(学力・勉強方法・学習環境など)なのか。志望校合格のために、ここからどのくらいの学力が必要になって来るのか。複数の視点から、現在の自分の状況把握していくことが重要なのです。
精神論ではなく、具体的な内容で確認する
「今の自分は、だいたいこのくらいの学力だと思うから、がんばれば大丈夫!」と、精神論と思い込みだけで判断して合格できるほど、受験は甘くありません。上位レベルを目指す生徒ほど、自分に厳しく曖昧さや弱さと向き合いながらシビアに学習計画を立てていきます。具体的な努力がなければ具体的な結果に表れないことを、過去の受験体験から知っているからです。
学校の定期テストのように狭いグループのデータだけでなく、模試による母体数が大きな客観的なデータを使い、今の自分はどのような位置にいるのかを確認してみましょう。一ヶ月という夏休みを上手に活用するには、正しい学習計画が必要です。そのためには正確な情報が必要になるのです。
私たちは「自分の能力」を、実際より高く評価してしまう
心理学によると、私たち人は「実際の能力よりも、自分自身を高く評価」してしまう傾向があるそうです。実際には「20%前後の理解度」でも「自分は50〜60%理解できている」と思い込んでしまうのです。かなり甘い判断をしてしまうのですね。自己分析を行う時には「私たちは実際の能力よりも、自分自身を高く評価してしまう」という心理を思い出し、客観的な数値で冷静に判断し「現在の自分の状況」を把握することから始めていかなければ、効果的で正しい学習計画を立てることはできません。そのままで進めてしまうと、今の実力よりも高めの設定で進めてしまい、空回りをしたり途中で諦めてしまう可能性が高くなるからです。「自分の本当の現在位置を知る」ことは、心理学的にも難しいものなのです。
A先輩の場合「学校のテスト対策と、入試対策の違いを痛感」
A先輩は、学校の定期テストは80点以上をコンスタントにキープできているので、「この調子で行けば大学受験も大丈夫だろう」と考えていました。ところが2年生の冬に受けた模試では40点程度しか点数が取れず、さらに志望校の合格判定がDランクになったことで「自分で考えているよりも、実力が不足しているのではないか?」「定期テストと受験勉強は別なのではないか?」と気がついたそうです。学校の定期テストの場合は出題範囲も限られていますし「このプリントを覚えておけば大丈夫」のようなコツもあるため、本当の学力が把握しにくいもの。A先輩の場合は2年生の段階で気がついたため、そこで「本当の自分の位置」を再確認し軌道修正をすることで、夏休みまでに基礎を作り直すことができました。確認するのは、早ければ早いほど有利になります。大切なことは「この調子でいけば大丈夫だろう」と油断しないことです。
今の自分と向き合うには「勇気」も必要
確かに「今の自分を正確に知る」という事は、勇気が必要です。不安や恐怖を感じる場合も多いでしょう。適当な理由をつけて「たぶん大丈夫」と先延ばしにしたくなる気持ちもわかります。しかしそこから目を逸し、不安を抱え続けながら受験勉強を続けるよりも、早い段階で向き合った方が、何倍も得られるものが多くなります。まして、夏休みのように一ヶ月間を受験勉強に集中できる時間があれば、10代のみなさんにとって可能性は大きく広がっていきます。今より早い時期はありません。今すぐ様々な角度から「今の自分の現在地」を確認してみることです。受験勉強の計画や、問題集選びや、テクニックを勉強するのは、そのあとからでも大丈夫。夏休みが始まる前に、今すぐはじめていきましょう。(その2 失敗しない夏の学習計画へ)
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