成績は、どのように上がっていくのか?(受験生応援コラム・特別編3)


成績は「波形を描くよう」に、向上していく


それから、成績は一直線に上がっていく、と考えている方も多いように感じます。数学の時に勉強した比例のグラフのように、時間が経過していくにつれて右上がりに一直線に上がっていくと。そのように考えてしまうわけです。

しかし実際のところは、成績は一直線に上がっていくのではなく、上がったり下がったりを繰り返しながら進んでいくものです。波のような曲線を描きながら、ゆるやかに進んでいく様子をイメージしていただければと思います。時には折れ線グラフのように極端な動きを見せる場合もありますが、そのような極端な変化には何かしらの「原因」があるもので、よくもわるくも注意が必要になる場合が少なくありません。


ところが、直線的に点数が上がっていかなかったり、前回の模試よりも下がったりしてしまうと、この学習方法では駄目なのではないか。もう少し他に良い方法があるのではないか。もう自分には無理かもしれない、などと考え始めて集中できなくなってしまう人も出てきます。「勉強方法探し」に時間を費やしてしまい、表面的な部分を試して終わりにする時間を繰り返してしまう人もいるでしょう。

しかし、そこで「そのようなものなのだ」と把握しておくことで、余計な部分に気を使わなくて済むようになります。「自分は適切な目標設定をして、学習計画を立てて、しかるべき時間を積み重ねているのだから、きっと上がっていくんだ」と自分の努力を信じて、目の前の課題をこなすことに集中していくのです。繰り返しますが「成長の軌跡は直線ではなくカーブを描いていく」と覚えておいてください。受験勉強のように長い期間での軌跡となれば、なおさらです。全体的な流れを見て、上がっているか下がっているかを確認していきましょう。目の前の細かな事象だけで、全体を軽率に判断してはいけないのです。


学習方法に、見直しが必要なタイミング

そして、ある一定のところまで成績が上がると、そこからなかなか成績が上がっていかない段階に辿り着きます。ちょうど階段の踊り場のように、上に進むわけでも下へ向かうわけでもなく、ただ平行にだけ進んでいるような時期がやってきます。

そのような段階になってから、どこか偏っている部分はないか、とか、次のレベルに必要になるテキストを用意したほうがいいのじゃないかなどと、考えていくと次の課題が見つかる場合が少なくありません。そろそろメンテナンスが必要かな、いつもは目が届かない部分にも視線を向けてみるタイミングです。そこで見つかった課題と目標で学習計画を作り直し学習を続けていくと、ポン、と上昇へ向かう流れに戻れたりします。

自分一人では見落としてしまうこと

先ほどお話ししたように、信頼できる先生や友人に確認してもらい、第三者の視点からアドバイスをもらうことも有効でしょう。私たちは「思い込み」を加えて目の前の情報を処理していきますから、良くも悪くも見えなくなってしまう部分が出てきます。受験勉強のように一人で作業する時間が長くなると、気がつかないうちに、自分では見えなくなってくる部分が必ず出てきますから、定期的に客観的な視点で自分の状態を眺めて見る時間も大切だと私は考えています。

そのような意味でも、一緒に一緒の方向目指して努力を続ける友人の存在というのはありがたいものです。卒業した生徒から聞いた話なのですが、同じ大学を目指している生徒が同じ高校のクラスにいたそうです。その人とはあまり仲が良いほうではなくて、大学の説明会で一緒になった時にも特に話をすることもなく、なんとなく牽制するようにして過ごしていたそうです。

ところが入試の一ヵ月ぐらい前になってきた時に「ここまできたら一緒に合格しよう」と、互いが持っている情報や問題集などを交換するようになっていたとのこと。「話してみると、意外といいヤツだった」と、その生徒は笑っていましたけれど、同じ時間を過ごしてきた仲間だからこそ、あるレベルを越えると深い部分で理解し合うようになるのかもしれません。それもまた受験生の醍醐味の一つなのかもしれないと、その生徒の話を聞きながら思ったものでした。



【以上】







※以上「佐藤先生の音声セミナー『これから受験生になる皆さんへ』より一部抜粋。文字起こし&文責 EG式プロ家庭教師編集部 本文の無断転載を禁止します。copyrights 仙台EG式プロ家庭教師 2018 allrights reserved.」




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