しかし、早慶上智といった難関大学へ合格した生徒も最初から評価の高い小論文を書けたわけではありません。共通していたのは、早い段階で「小論文の正しい対策」を学び、1年単位で実践を積み上げたことです。
表面的な対策のみを繰り返したり、定期テストや一般入試の受験対策に時間をとられ、小論文を後回しにしてしまうのは大きな損失です。今回は、これから小論文の受験対策を始める際に、確認しておきたい項目の一つ「作文と小論文の違い」について解説します。この差異を正しく理解することが、小論文対策のファーストステップです。
「作文」と「小論文」の違いとは?
作文は「自分の視点(感性)を主軸にし、個人の感想を表現していく」形式です。ここでは「自分らしさ(個性)」や「自分の意見(主張)」が評価の視点となります。つまり「作文では個性的な視点や意見であれば、評価を得られる可能性がある」ということは、その主張が「正しいか、正しくないか」よりも、作者の表現力や個性が重んじられることになります。実際にみなさんも「好きなことを自由に書こう」「自分の意見や感覚を大切に」と、学校教育の授業で指導された記憶があると思います。しかし、小論文で求められる姿勢は「多角的な視点と社会的な背景の理解」で現代社会の問題を発見(定義)し「客観的かつ論理的」に説明していくロジックです。そこには、様々な事象・情報を精査する態度が求められ、採点者の批評に論理的に対応していく思考力が要求されます。
「私は、こう思う。私は、こうした方が良いと思う」が作文であるとすれば「〇〇の問題は、△△への対応が優先順位である。その背景には〇〇の限界が存在し、△△がアップデートされず放置されてきたことに原因があると考える」などと、問題をさまざまな視点から考察し、知識で証明を試みていく構成となるわけです。
もちろん、小論文を書くことは簡単ではありません。小論文の課題には「未解決」のテーマが出題されることが中心です。未解決のテーマですから、検索してもAIに相談しても「絶対的な正解」が得られません。社会的・歴史的な背景を分析し、そこに「問題の本質と解決策」を見出し、それを証明する考察と事例(知識)で論理を展開していく。これが、大学入試の小論文で求められている基本姿勢です。
「自分なりに努力しているのに、小論文模試の成績が上がらない」そのような悩みを抱えている生徒は、この作文と小論文の違いを理解できていないため、最初の段階でつまづいてしまっている。作文の書き方を勉強しているため、小論文としての評価が得られないことに原因があるかもしれません。
努力家な生徒ほど「早く結果を出さなくては」と考えがちです。しかし、難関大学が求めているものは、安易な解決策(一般論)ではなく「現代社会に存在する問題を複数の視点から捉え、論理的に構築していくプロセス」です。膨大な資料や知識を把握し、そこから適切な事例を選択していく。採点者からの批評に対応できるストックを用意する。そこで求められているのは、膨大な時間をかけて積み上げてきた総合的な学力です。
まずは意識を「作文」から「小論文」へと切り替えること。理屈でなく実践を通して理解することが、小論文対策の最初の関門です。
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