確かに「何か」を目にしている。しかし「何が書かれているか」を理解しているかは曖昧である。ただ、なんとなく「わかったような気分」になって、目の前を流れていく情報に目を通していく。そして残るのは、ぼんやりとした疲労感。そのような時間の中で生活をしています。
そのような流れの中で立ち止まり、興味をもった情報を掘り下げ「考察」していくことは、アナログな作業に感じられるかと思います。いわゆる「タイパ」の悪い、全時代的な時間の使い方なのかもしれません。実際のところ、そのようにしてひとつひとつ吟味し、手探りで確認していく過程は「AIを使えば一瞬で終わる」ことも事実です。AIを活用し共存していくことは必須のスキルです。この流れを否定するものではありません。
しかし「情報を考察し、体感し、自分の知識とリンクさせる」時間は、どうしても必要です。その過程を繰り返すことで「情報が知識となり、そして知恵となる」からです。小論文の授業をしていると、一定の良質な情報量が蓄積され考察が進んだ段階で「わかった!」と感じる瞬間がやってきます。考察が進み思考が整理されることで、ひとつの流れが構築されすっきりとした道筋が見えてくるのです。情報を消費する段階から、活用する段階へとステップアップできた瞬間です。それは情報を「消費」している過程では身につきにくく。見落としがちのセンスです。
1日に触れる情報量は、これからも増えていくでしょう。10年後、20年後、そこには想像を遥かに越える状況が展開されているでしょう。私たちは、そこに進んでいくしかありません。しかし、高校生の10代のみなさんには、すこしでも早い段階で「情報を考察し、体感し、自分の知識とリンクさせる」時間を体験して欲しいと考えています。そこで身につけた「知恵」は、新旧の情報を組み合わせ活用していく原動力になります。それはAIと相反するものでも、競争を試みるものでもありません。自分の未来を切り開いていく「勇気」となり、あなたが進む道を照らしてくれる自由を与えてくれるものだと、私(佐藤)は考えています。
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