【７月のアドバイス】成長すると、目標も成長する。

先日、卒業生（小論文コース受講生）のAさんからメッセージが届きました。Aさんは高校生のころから明確な目標を持っていて「将来〇〇の仕事をしたい。そのために大学で〇〇を勉強したい」と主張するタイプの生徒でした。ところが、先日届いたメッセージには「大学の講義で学んだ〇〇に興味があり、最初の目標とは離れた方向に進みそうです」といった内容が書かれていたのです。

「まだ大学に入学して一年目なのに、そんなに簡単に目標を変えてもいいの？」

そのように感じる人もいるかもしれません。初志貫徹というように、最初の目標から揺れずに進んでいくことが大切だと考える人もいるでしょう。しかし私は、そのようには考えていません。ひとつの目標で進むことがベストな場合と、試行錯誤を繰り返しながら「本当の目標」にたどり着く場合とがあります。そしてAさんの場合は、後者であると考えたからです。

２５年以上、受験生を指導してきて感じることは「本人が成長すると、目標も成長する」ということです。知識や経験を身につけ、過去の自分よりも成長すると見えてくる景色が変化します。視点が変化すれば目標も変化します。そこで「いや、一度決めた目標は変えてはいけない」と固辞するよりも、新しい視点から修正し研鑽を積み重ねていくほうが自然な流れだと考えるからです。

もしも今あなたが「本当に挑戦したい目標がわからない」「本当にこの目標で大丈夫なのだろうか？」と考えているのならば、そこで思考を止めてはいけません。今の段階の目標で構いません。その目標に向かって、知識を蓄え学び、そして実践を繰り返してください。時間をしっかりと活用し、ていねいに考え続けてください。

今のみなさんにとって、試行錯誤の時間も未来の土台になります。ひとつひとつていねいに掘り下げ、整理し「知識と知恵」を磨いてください。その地味だけれどもていねいな時間は、将来のみなさんをしっかりと支えてくれるはずです。

がんばれ受験生

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