半年、一年単位で計画を立てて、じっくりと基礎から見直していく。長期的な視点で取り組んでいく必要があります。数年以上も苦手としていた分野であれば、なおさらです。
ところが私たちは「努力をすれば、すぐに結果が出る」と思い込んでしまいます。何か特別な方法を活用すれば、一ヶ月、いや数週間で「手応え」が感じられ、すぐに結果に反映されると思い込んでしまうものです。
しかし実際は、そのような短時間で苦手分野を克服できることは稀です。「結果が出ない」「この方法はダメだ」と表面的な修正だけで諦めてしまったり、新しい勉強方法を探し続けては挫折することを繰り返してしまうのです。
牛になる事はどうしても必要です。われわれはとかく馬になりたがるが、牛にはなかなかなり切れないです。(中略)
あせっては不可せん。頭を悪くしては不可せん。根気ずくでお出でなさい。
夏目漱石 芥川龍之介 久米正雄宛の書簡より(一部抜粋)
これは、文豪・夏目漱石が門下生の芥川龍之介と久米正雄に宛てた手紙の一節です。私たちはどうしても馬のように早く進むことだけを考えてしまう。しかし牛のように根気よく進んでいくことが大切なのだ。漱石は、そのようにアドバイスしているのですね。
ずっと苦手だったことを克服するには、しかるべき時間と正しい計画が必要です。それは、今あなたが考えているよりも膨大な学習時間と、問題演習量を必要としているかもしれません。しかし、正しい方法で進んでいくのならば、やがてそれは次のステップへとレベルアップできる瞬間が必ずやってきます。そして一度ステップアップできたのなら、そこからは一気に加速していくものです。
まだ間に合います。入試日から逆算して、目の前の変化だけにとらわれず牛のように根気よく進んでください。がんばれ受験生。応援していますよ!
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