「集中が途切れてしまい、後悔していた」Aさんの場合
昨年の春に私たちのところに入会してきたAさんは、コツコツタイプの性格でした。高校でも実行委員のような仕事を任されるタイプで、裏方で準備を進めたり、地道に作業を進めていくことが得意な生徒だったのです。
ところが、すこし真面目に考えすぎるところがあり「この計画で大丈夫なのか?」「もっと良い方法は無いのだろうか?」と細かな部分に意識が向いてしまい、集中できなくなってしまうことがありました。そして、なんとなく情報を調べているうちに、時間を無駄にし後悔してしまうことを繰り返していたのです。
「なんとなくのループ」から抜け出そう!
なんとなく気になった情報を調べるために、なんとなくスマートフォンで検索しているうちに、なんとなく一日が終わってしまいます。なんとなく、で過ごしてしまった時間は、決して逆戻りしません。そのような「なんとなくのループ」の中を回ってしまっていることに気がついたならば、今すぐスマートフォンを横に置き、とりあえず目の前の課題をひとつ終わらせることに、集中することです。「今、この課題を終わらせることが、今の自分にとって一番必要なことなのだ」と言い聞かせながら、淡々と取り組んでいくことが大切なのです。少なくとも「なんとなくスマホを眺めている」よりも、目の前の課題を終わらせる方が有益であることは、間違いのない事実でしょう!
自分ルールの設置で、集中できる環境をつくる
Aさんは「勉強している時間は、部屋にスマホを置かない。家族に預かってもらう」「机の周辺に、気が散るもの(趣味のものなど)を置かない」など、自分でルールを決めて集中していく環境を工夫していました。とくに「スマホを部屋に置かないことが、一番効果があった(Aさん)」そうなので、同じように「なんとなくスマホを眺めて過ごしてしまう」人は、試してみてはいかがでしょう?「一時間勉強したら、5分休憩してスマホを確認する」など、自分ルールを工夫して集中できる環境を考えてみましょう。
春の地道な工夫は、夏の加速、そして秋以降の飛躍の土台に育っていきます。早すぎず、遅すぎず、ペースを確認しながら淡々と進んでいくこと。その状態を「習慣化」させること。それが今の時期(五月)に注意しておきたいポイントのひとつです。