「子供の時から損ばかりしている」4月

先日、高校生のTさんに「今まで色々と自分なりにがんばってみたのですが、どうしてもうまくいかなくて時間を無駄にしてきたような気がします」と学習相談を受けました。

Tさんは、明るく真面目なタイプの生徒で先生や友達に何かを頼まれたら責任感をもってがんばろうとする性格の生徒です。ところが成績に関しては、真面目に頑張っても、なかなか結果が出ない。出ないから焦る。色々工夫してみる。なかなか壁を越えられない。時間だけが過ぎていく。そして自分を責めてしまう。

そのような悩みを抱えていました。もしかすると、この文章を読んでいるみなさんも同じような悩みを抱えているかもしれませんね。

確かに反省することは大切です。自分と向き合って足りないところを足していこう。そして学び続けていこう。そんな風に考えていくことが成績を上げていくには不可欠だからです。でも、そのように反省し過ぎて自分を責めたり悩んでしまう人には、ぜひ覚えておいてほしいことがあります

例えばあなたが「あの経験は意味がなかった。無駄だったな」と後悔していることがあったとします。それはたぶん、今あなたが「うまくいっていない」「まだ努力の途中」だから、そのように感じるのだ、ということを覚えておいてください。

成長して行く途中の段階で「これは無駄かもしれない」とか「時間を損してしまったかも」と感じてしまう時期があります。そこで止めてしまい、新しく別の方法に切り替えてしまうと、結局中途半端な状態で終わってしまい「本当に無駄」になってしまうのです。


不安や迷いを感じつつも、それでも精一杯の時間を積み重ねていけば、必ず何かしらの変化が起きます。そしてその変化を正しくとらえて修正を行いながら歩き続ければ、目標実現(受験生のみなさんの場合は合格通知ですね)が見えてくるものです。

その時あなたは「あの時の試行錯誤は、いい経験だったなあ」と、しみじみと自分の1年間を振り返ることでしょう。そして、それらの体験を「無駄なことなんて、何一つないよ!」と嬉しそうに語り始めることでしょう。「あの迷ったり、試行錯誤を繰り返したからこそ、今の自分があるのだ」と実感することでしょう。


繰り返しますが「無駄なことなんて、何ひとつありません」。合格した先輩達も、同じように迷いながらも努力を続けたから、大きな喜びの瞬間を手にできたのです。まずはこの春のうちに、たくさんの試行錯誤を繰り返しておくこと。先生に相談して自分の状態を客観的にチェックしてもらうこと。そして止まらずに歩き続けること。これが秋以降の飛躍につながります。がんばれ受験生!

仙台EG式プロ家庭教師コース (2014.4.1更新)



追伸:今回のタイトル「子供の時から損ばかりしている。」は、夏目漱石「坊っちゃん」の冒頭文(親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしている。)から引用しました。まだ読んでいない生徒は、この春休み中に読んでみては?